古代デヒスタン（バルカン地方）

デヒスタン（マシャド・ミスリアンとしても知られる）は、10世紀のシル・カビル廟がある大規模なマシャド墓地と、10世紀から15世紀にかけてのミスリアン市の遺跡を含む古代都市です。トルクメニスタンのバルカン州エトレク地区、ミスリアン平原に位置しています。この都市は紀元前3世紀末に創設され、アヌシュテギン朝のホラズム・シャー朝の治世下で繁栄しました。

デヒスタンは西暦14世紀頃まで存続しました。北イランのゴルガン平原を含む広大な文化複合体の一部でした。ミスリアン平原とゴルガン平原における鉄器時代の物質文化は同一で、同じ時代にさかのぼります。かつてミスリアン平原として知られていた、完全に平坦で水がなく粘土質のバルカン州の平原には、古代デヒスタンの謎めいた遺跡が立っています。おそらく、最も人里離れて孤立した都市でしょう。かつてはホラズムとペルシャのゴルガンの間の隊商路にある繁栄した中世都市でした。

デヒスタンはミスリアンのオアシスの中心に位置し、ミスリアン（メッソリアン）としても知られています。「デヒスタン」という名前は、この地域に住んでいたダハエ族に由来しています。デヒスタンは8世紀から9世紀にかけて出現し、ホラズム・シャーの治世中に急速な成長期を経験しました。都市は約200ヘクタールの面積をカバーし、二重の壁の環によって保護されていました。当時の歴史家は「デヒスタンは、トルコ系オグズ族に対する辺境の要塞として機能する、大きなモスクを持つ都市である」と報告しています。しかし、デヒスタンは長続きする都市にはなりませんでした。13世紀にチンギス・ハンの軍隊が到着したとき、彼らは死にかけている都市を発見しました。デヒスタンでの生活は13世紀から14世紀にかけて続きましたが、15世紀までには都市は完全に放棄されました。今日、様々な建造物の多数の遺跡が、そのかつての壮大さを証明しています。

保存されている建造物の中には、有名なシル・カビル廟、それぞれ高さ25メートルの2つのミナレット、主モスクの入り口、日干しレンガの城壁の遺構、隊商宿の廃墟、そしてマシャド墓地にある廟群があります。

マシャド・アタは、中世トルクメニスタンの最もユニークな建築物の一つです。大きなミスリアン集落から7キロ離れた砂丘の中に位置し、真の宝石と考えられています。この記念碑は遠くからでも見えます。強力な台座の上に建てられ、そのヘルメット型のドームは周囲の地域の上にそびえ立ち、その優れた保存状態だけでなく、その記念碑的で完璧な形態によっても際立っています。この記念碑は、本や観光ガイドでシル・カビル（偉大なシェイク）という名前で言及されることがよくあります。マシャド・アタは、古代の墓地の中心に千年以上も立ち続けており、建築史家、美術専門家、そして巡礼者の注目を集めています。彼らは9世紀から10世紀のこのイスラーム芸術の傑作、特に建物内部にある豪華なミフラーブを鑑賞するために、この遠隔地を訪れます。

デヒスタンでの発掘調査により、いくつかのモスク、隊商宿、そして堀、運河、排水システムを含む給水システムが発掘されました。1998年、デヒスタンはユネスコ世界遺産リストへの登録が提案されました。マシャド・アタ廟は、トルクメニスタンに保存されている最古のモスクと考えられています。10世紀の匿名の著作**「フドゥード・アル・アラム」**によると、スーフィーのシェイクであるアリ・アル・スカリはデヒスタンの近くに埋葬されました。また、9世紀に生きたアラブの地理学者、アル・マクディシの著作にも貴重な言及があります。東洋の多くの国々に関する多様な情報を含む彼の著書では、彼はデヒスタンに関するデータを提供しています。彼はデヒスタンの市中心部を「ラバト」、つまり「要塞都市」と呼んでいました。都市の清潔さ、美しいモスク、快適な家屋、そしてよく組織された通りを称賛するとともに、彼はラバトの下、ダンダナカン（メルヴ近くの中世の町）に似た場所にある古いモスクにも言及しました。アル・マクディシの記述から、私たちはモスクが四方八方を木製の柱で支えられたヴォールトのあるイーワーンに囲まれていたことも知ることができます。このモスクはデヒスタンだけでなく、周辺地域でも有名でした。

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